幹の会と株式会社リリックによるプロデュース公演の輝跡

「平さんと共演出来た事は、
僕にとって大きな宝」

原 康義

 平さんとは、『テンペスト』『リア王』『オイディプス王』 と三本共演させていただきました。
 
あのようなスケールの大きな俳優は、この先、日本の演劇界に現れることはないでしょう。
本当に寂しいです。
 
  平さんと最後に交わした会話は、蜷川幸雄さんの告別式の出棺の時でした。
平さんが、僕の後ろに立っていたので、『どうぞ前へ』とすすめたところ 『大丈夫、僕は背が高いから』と、そして大勢の弔問客を見ながら『こんなに沢山のお客様が劇場に来てくれたらいいねえ~』と。
僕は、不謹慎にも笑いそうになったが、蜷川さんを見送りながらも、平さんの頭の中は、いつもお芝居の事で、いっぱいだったのだろう。
 
  平さんと共演出来た事は、僕にとって大きな宝です。
  ありがとうございました。